九想庵

埼玉の田舎で暮らしています

息子のそうめん

今朝、いつものように女房は寝坊して、
けたたましく出かけていった。
恵比寿までフラメンコの練習にです。

しばらく蒲団でうつらうつらしていると、
Kが、「そうめん、ゆでていい?」という。
「ああ」とおれがこたえると、
「食べる?」ときく。
「お、いいね。Kのゆでたそうめんなんて」
おれは起きて、居間のテーブルの前に坐った。
テレビをつける。
息子が鍋でお湯を沸かしている。
「どれぐらいゆでたらいいかな」
「とりあえず、一束ぐらいやれば…」
おれも、どれぐらいで一人前になるか知らない。

ベランダで煙草を吸って、下界を眺める。
うちは5階、そこそこ眺めはいい。
左のほうは、駅前通りが見える。
右手には中央公園。
盆踊りのやぐらから、
四方に提灯がぶらさがっている。

居間に戻ると、
皿にのせたざるの上にそうめんがあった。
そうめんに氷を2、3個のせてあるのが憎い。
「一束だとそのぐらいだから、もう少しゆでるね」
とKがいう。
「こういうことも経験しないとわかんねェよな」
おれは、Kの用意してくれたつゆで、
そうめんを食べた。
うまかった。
息子がゆでたそうめんを食べるなんて、
初めてのことだ。
追加してゆでたそうめんを持って、
Kがテーブルに坐り、食べ始めた。
いい日曜日の朝だ。