九想庵

埼玉の田舎で暮らしています

abさんご

私は昨日、午後4時前に御代田図書館に着いた。
その日返却しなければならない本があったのです。
雑誌の棚のところに行くと、文藝春秋の最新刊がありました。
芥川賞を受賞した「abさんご」(黒田夏子著)が掲載されているはずだと思った。
私は、まっすぐその文藝春秋を手に取った。
abさんご」がありました。
最新刊なので借りられない。
私は、ここで読んでしまおうと考えた。

閲覧用の机に向かって坐り読み始めた。
3ページほど読んでだめだと思った。
読み続けられない。
横書きでひらがなが多いのはがまんするが、書いてあることが理解出来ない。

とりあえず小説を読むのを中断して、選考委員の選評を読んだ。
そしてもう一度「abさんご」をはじめから読み返した。
私の教養のない頭ではまったく理解出来ません。
文章に入り込めない。
選考委員の方は、2度3度読み返せばこの小説が分かる、と書いてある。
私にはそんな時間はありません。
だいたい私が思うに、小説とは1度読んで読み進めなかったらまずいと思う。
本屋さんに並んでいて売れないよ。
別に、小説は売れなくてもいいのでしょうが…。
この小説の主人公が分からない。
登場人物が浮かんでこない。
自分の生きている少ない時間を消費する価値が、この小説にあるのかと思ってしまう。
しかし、この小説は第148回芥川賞受賞作なのだ。
私は、むかつく心を静めて「abさんご」再び読んだ。
分からない、小説世界が理解できない。
小説についていけない自分をバカにされているような気持ちになる。
それでも横書きの文字を読み進めた。
そのうち、館内放送が流れた。
午後5時で図書館が閉館になるという。
え、図書館って5時で閉まっちゃうの。
平日、昼間勤めているお父さんは、いつ図書館に行けばいいのだ。
日曜日なのだろうが、日曜日の昼間にはやることがある。
やっと身体の空いた日曜日の午後に図書館に行くと、午後5時に閉まってしまう。
こんなことじゃ、図書館には行けせん。
これでは、図書館の利用率なんて上がりませんよ。
もう少し、利用者の都合を配慮してくれないと。
今度オープンする中軽井沢の図書館の閉館時間はどうなんだろう?
日曜日の午後5時に閉館するなんてことだったら、困ってしまう。
私は、「abさんご」を10ページほど読んだところで文藝春秋を閉じた。
こんど、この号が貸し出しされたらもう一度挑戦してみよう。
2・3度読んだら感激したりして。