文學界2月号に載っている
長嶋有の長編小説「パラレル」を読了した。
この小説は、これまでの彼の中で一番いい。
七郎と友人の津田との関係がよく書けている。
離婚した“元”妻とのこともいい。
こういう小説を私も書きたい。
(今夜こそはこの小説を読み終えよう)
そう思っていた。
女房は今日、仕事で千葉の成田まで行っていた。
仕事から帰ってきて私は疲れていた。
テレビを観ながらうとうとした。
目が覚めるとお腹が空いていた。
夜7時頃、「何時に帰る?」と女房にメールを打つと、
「まだ成田に着いてない」と返事があった。
それからお風呂のお湯を沸かし、
息子たちと私の食べるものを買いに出かけた。
洗濯もし、シンクにあふれる食器も洗った。
布団も敷きやることやって風呂に入る。
テレビを観ながらビーシュを飲み、食事をして、
さあ小説の続きを読もうかなと思ったとき、
なにげなくチャンネルと回すと、BS2で、
「送ってみよう!ケータイ俳句春色満載!
写真俳句や情熱の恋文俳句続々▽生放送で決まる大賞作」
という長い名前の番組に長嶋有が出ていた。
画面の彼は髭をはやしていたが、
むかしと同じシャイな彼だった。
(ああ…、遠くにいっちまったな)
むかし、句会のオフでいろんな楽しい話をした。
私がブラックジャックが好きだというと、
彼の一番好きなブラックジャックの話の
コピーをもらったことがあった。
あの句会には、川上弘美さんもいた。
私の句が多くの人から逆選されたとき、
(逆選とは、選句とは反対で、ダメな句として選ばれること)
励ましのメールをいただいて救われたことがあった。
ふたりとも芥川賞をとって、作家として活躍している。
ああ…、私は…。