九想庵

埼玉の田舎で暮らしています

人間のスケール

私がいつも興味深く読むメールマガジンがある。
それは、「ほぼ日刊イトイ新聞(デリバリー版)」です。
これは、糸井重里のサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」が
発行しているメールマガジンで、
世界中の読者からのメールを紹介している。
心温まるメールが沢山あり、
読んでいていつも私は救われている。
昨日の第903号に次のようなメールがあった。

長いので要約すると、
35歳で都内の中小企業に勤めている独身男性で、
贅沢もせず、常に節約を意識し、
将来のために貯金をしながらも、
小遣いでできる範囲で生活を楽しんできた。
昨秋に祖母が亡くなり遺産の手続きが終わり、
莫大な金額の遺産が入ってきた。それで、
働くことが馬鹿らしくなり、仕事をする気がなくなった。
あなたならどうしますか?
というような内容だった。

私だったら…。
まず最初に思ったのは、「ウラヤマシイ」だった。
そうなったら余裕を持って毎日働き、好きなことが出来る。
うまいものを食べ、美味しい酒も飲める。
そうなるために宝くじを買っているんだ。
でも待てよ。
使いきれないようなお金があったら、
私も“何もする気がなくなる”かな、と思った。
けっこうそれも“つらい”ことかな、と考えた。

私は子育ても終わり、
あとは女房と老後をどう暮らしていくか、
ということだけだ。
でも、これから所帯を持って子どもを育てようとする人が、
勤労意欲がなかったらよくないことだろう。

女房にこのメールのことを話し、読ませた。
「若いときにこんなことになったらよくないかもな」
「いいに決まってるじゃん。そうしたら私仕事なんかしないよ。
 毎日、好きなことして暮らすよ。
 羨ましいな。うちも宝くじあたんないかな」

女房と私の人間のスケールが違うと思った。