九想庵

埼玉の田舎で暮らしています

桜桃忌に想う

6月19日は桜桃忌ですね。
今朝のNHKラジオの「マイあさ」(NHK-R1 5:00~)の「今日は何の日」でそのことを知った。
それ以外のラジオやテレビ番組では、桜桃忌を取り上げてはいなかった。
(私が視聴した範囲だけですが……)
それだけ太宰治のことが、今の社会ではあまり感心が薄くなってしまったのでしょうかね?
6月19日は、太宰治が生まれた日で、彼が6月13日に入水自殺して遺体が発見された日だそうです。

私は20代の頃、太宰治の小説を読みました。
それまであまり小説を読まなかった人間だったのに、
18歳で東京の駒込の3畳のアパートで暮らし始めてから小説を読むようになった。
アパートにはテレビはないし、ラジオを聴くかギターを弾くか本を読むしかすることがなかった。
どういうきっかけで太宰治を読み始めたのか忘れたが、かなりの数を読みましたね。
あの頃は、吉行淳之介三島由紀夫坂口安吾谷崎潤一郎安部公房松本清張
野坂昭如大江健三郎山口瞳水上勉井伏鱒二遠藤周作夏目漱石井上ひさし
筒井康隆五木寛之石川達三芥川龍之介島崎藤村堀田善衛立原正秋などを
文庫本を買っては読んでいた。
それらの中で私は、一番太宰治の小説が好きでした。
私は30歳前から小説を書き始め、そして書いた小説を文學界に投稿するようになった。
昭和59年11月号の文學界の第59回文學界新人賞中間発表に私の作品名と名前があった。
そのことだけで私は舞い上がりました。
その次にオール讀物の新人賞の中間発表にも私の作品名があった。

それだけでしたね。
あの頃は毎日夜の8時頃に息子たちと布団に入り、絵本を読み聞かせてから寝ていた。
(会社の残業があるときはそれはできなかった)
そして11時頃に女房に起こしてもらって、午前3時ぐらいまで小説を書いていた。
33・4歳ぐらいから仕事が忙しくなり家に帰ることが9時過ぎになった。
息子たちと一緒に寝ることもなくなり、小説を書くことをしなくなってしまった。